2016年12月15日

パン作りについて最後に投稿したのが10月3日なので、2ヶ月以上自分のパン作りについてのレポートをしておりませんでしたが、この間粉100kg以上分はパンを焼きました。平日は公務員として仕事をしているので、平日仕事後と休日の時間を使って、やれることをやりきった2ヶ月だった気がします。

今回の投稿は、この2ヶ月でパンについて自分が理解したことを書きたいと思いますです、はい。


上の写真、自分が焼いた胡桃パンの写真です。

表情、よくないですか?
パンに表情?うん? 

この2ヶ月間、(素人としては)比較的パンをいっぱい焼いているんですけど、焼けばやくほど、パンが焼きあがったときの見た目(表情)でそのパンの質が分かるようになってきました。

あぁーこの子はいい表情してるな。
ちょっとショボンと落ち込んでるな。
エネルギー爆発で勢いがあるけど、本当はもっと落ち着きたいんだろうな。

と、擬人的にパンを見ている自分がいます。

焼きあがりの印象から、そのパンが本来どうあるべきなのかを判断して、次回に活すのです。パン作りを直接教えてくれる先生がいないので、パンや仕込んだ酵母から教わるしかないんです。

傍から見たら、ちょっとヤバイ人のよう感じがするかもしれませんが、こうやってパンの技術を向上させていくのは、とっても面白い作業です。そして、それができている自分にはパン作りが向いているんだと思います。

 パン生地に触れているときの感触
 発酵させているときの匂い
 発酵した生地の見た目
 持ち上げた生地の重さ
 クープ(切れ目)を入れたときの生地の反応
 焼き上がりの色と香り
 焼きたてのパンを割ったときの香りとクラストの状態
 などなど

パンを作っていると、その時々で結構な量の情報を処理していると思います。

教えてくれる人がいない分、パンを作っているときは5感をフル稼働で、作り終えるともうエネルギーがなくなり、ぐったり消耗した感じになります。


この2ヶ月で骨身に染みてわかったことは、パンは小麦の発酵食品であるということ、発酵した食べ物だからこそ価値が高いということです。

自分のパンは砂糖を使わずに、酵母+粉+塩+水で基本的には焼いています。

酵母は、糖質をアルコールと炭酸ガス、水等に分解しますが、小麦の糖は直接分解ができないので、酵母が持っている酵素の力を借りて、まずはでんぷん質や粉を糖に分解するのです。

酵素が、でんぷんや粉を分解する過程、さらに酵母が糖を分解する過程では、アミノ酸も作られます。アミノ酸といえば、「旨み成分」として知られてますよね。

私は、はたと気がついたのです。
発酵のプロセスで生成される旨み成分「アミノ酸」の意味に。


発酵食品は一般的に健康によいと言われています。それは、酵母菌、乳酸菌などの微生物がすでに食物を分解してくれているので、その食物が胃腸に入ってきたときに、私たちの体は吸収しやすいのだと思います。

栄養価が高いというのは、エネルギーとして体に取り込みやすい食べ物であるということだと思います。

粉をしっかり発酵させたパンは、食べたときに、すっと体に溶け込むような軽い印象を受けます。

本来、天然成分の「アミノ酸」が入っている食べ物というのは人が体内に取り込む価値のある、栄養価の高いものであることを意味しているのだと思います(例えば、発酵食品にアミノ酸が多く含まれているように)。私たちの脳はその「アミノ酸」を摂取したときに「旨い!」と反応し、また食べたい、もっと食べたいという気持ちにさせるのです。

でも、今は何にでも精製されたアミノ酸(グルタミン酸)が添加されているので、何を食べても旨い!と脳が誤って反応してしまっているのです。。。それがゆえに、不要なものを過剰に摂取したり、中毒的に食べ物を欲するのではないかと。

私は、この人工的に添加されたアミノ酸に勝る食べ物を作りたいと考えています。

人が活力を持って生きる糧になる、本質的に価値のある食べ物です。



砂糖やイーストフードを入れて発酵させたパンは、直接分解できる糖があるので、粉を十分に発酵、分解していないと思います。

そういうパンを食べると、胃腸に負担がかかっている感じになります。私はどちらかといえば、パンがあんまり好きではなかったのですが、それは、食べると胃が痛くなるからだったのです。。。便秘にもなるし。。。

そういうパンは、今私が焼いているパンとは食べ物としての質が全然違います。


とはいえ、パンに砂糖を全く使わないというポリシーを掲げるのは、ちょっと違う気がするのです。

日本人にとっては、パンは主食というよりは、おやつ、デザート、お菓子みたいな副食の意味合いがまだ強いです。私は、おやつに食べるチョコパンとか大好きです。だから、上の写真にあるようなチョコパンも色々と開発してます。

粉をしっかりと発酵させながら、砂糖など甘味も感じられるパンも焼きたいのです。
きっとターゲットに合わせて、焼くパンの種類は変わると思ってます。

このとき、みかん酵母にこだわる必要はないと思ってます。

これからチャレンジしたいのは地酒の酒粕からパン生地を作って、柔らかいアンパン、クリームパン、ジャムパンを焼くことです。日本に古来からある麹菌は簡単に入手できますし、そこからパンを焼くことは可能です。日本にパンが入ってきたときに、使われた菌は麹菌なので、日本では最も伝統ある手法なのです。

みかん酵母(ルヴァン種)は、柔らかい生地に向いていないことは分かっていますし、そこで無理をしても、不自然なパンしか焼けないと思うのです。